知ろうとしないことも罪になる

自分も料理をします。
腕だけではなく味覚・知識に関しても正直なところ、
その辺のアマチュアレベルなどではありません。


その根底にあるのは

「自分たちが提供しているものをきちんと説明できる存在でありたい」

ということ。



とあるレストランで店長をしていた頃、
料理人へのリクエストがなかなか通らなかった経験があります。
もっとこうしたらいいのにとか、
もっとこうできないのか、
など頭の中にあったのですが…

「それはできない」

「無理だよ」

と返されて終わり。
理由を説明されてもそこに正当性があるのか、
クリアする手段はないのか、
料理の知識が乏しいことでゲストへの満足を高めることに繋げられませんでした。

自分が料理に関する事に詳しくならないと無力だ。


ある時、大阪のトップ若手シェフが2ヶ月限定で料理長としてやってきました。
そしてそのタイミングでフランス人の三ツ星シェフが総料理長として
お店を監修してくれることも決まりました。

今までのレベルと全然違うことが素人目にもわかり、
さらに料理の知識を身に付けないといけない必要に駆られました。
でないと自分が店長を務めるお店の会話に付いていけないのです。

そんなことも知らないの?
というレベルの質問から始めましたが、
案外みんな親切に教えてくれるものです。
きっと自分にもそういう時期があったことを重ねてくれているのでしょうか?


自分でも本を買って調理をして、
上手くいかなかった部分をプロに尋ねることもしました。
本当のプロは科学的な根拠による説明もしっかりしてくれます。
こうすることで今まで以上に作られる料理に興味を持てるようになり、
説明する際にも自分の本気が伝えられるようになっていきました。

壁というものは必要な時にやってくるものですね。
同時に今まで知らずに過ごしてきた期間に
お相手をしたゲストに対し申し訳なさも感じました。
でも取り返すしかないですよね。



カヌレを焼く一般人は少ないでしょうから載せてみました。笑

実はカヌレの難易度はとても低く、
型に蜜蝋を塗るのが面倒なところと、
一番はカヌレ型をわざわざ入手しようと考えれるかどうか。


あなたは単に知ろうとしていないだけだったという経験はありますか?