【活動報告】『第105回備中杜氏自醸清酒品評会』

こんにちは!
日本酒で乾杯するほどの日本酒好き!
杉原未来(すぎはら みらい)です。

 


『第105回備中杜氏自醸清酒品評会』が5月24日、
岡山コンベンションセンター(岡山市北区駅元町)で開催されました!

 

 

そして、何とも光栄なことに、
当品評会において審査員を務めさせていただきました!!

 

今回の第105回品評会からは

「一般消費者に近い有識者を第2部審査員として招く」

という新しい試みが行われ、ご招待いただいた次第です。


「お酒の品評会」と聞くと、誰が審査をするのか、どこで審査会が行われているのか、具体的に何を基準として審査をするのかイメージしづらく、業界自体がクローズな印象でした。
そういったイメージの払拭や、新しい風を入れるという意味で
今回から「一般消費者に近い有識者を第2部審査員」の枠ができたそうです。

私に審査員が務まるかしら…と不安もありましたが平喜酒造の原取締役から

「また飲みたい!お金を出して買いたい!と思うお酒を選べば良いと思いますよ。」

と助言をいただけたため、気負わず審査ができました♪


それでは早速、審査の内容や品評会の様子をご紹介いたします!

 

 

◆審査の内容

 

出品酒は合計55点にものぼり、そこから上位1~5位の選定を行いました。


今回の出品酒の要件は以下の通り!

1 岡山県産米100%を使用した自醸造酒
2 カプロン酸エチル高生産性酵母を使用した清酒の出品は不可
3 清酒分類(純米・吟醸・本醸造等)及び醸造年度、出品点数の制限なし




特に面白い要件だと感じたのは二番目の

「カプロン酸エチル高生産性酵母を使用した清酒の出品は不可」

という点です。


カプロン酸エチル高生産性酵母を使用した清酒は、「マスカットのような吟醸香としっかりとした甘みのある酒」に仕上がります。

近年の品評会ではそういったお酒が上位に選ばれる傾向があるそうです。
カプロン酸エチル高生産性酵母を使用すると、
美味しいと感じるお酒を造りやすくなるので、
敢えてこの酵母を使用しない個性あるお酒だけを募集したということですね。


審査は、お酒を一つ一つ口内でころがし、手元の審査用紙に順位を記入するというもの。
美味しいと思ったものには「1」(1位という意味)と表記し、これは自分で買わないかなぁと思うものには「5」(5位)をつけるというちょっと変わった方式。
美味しいものに「1」の点数をつけるところや、何個でも同じ順位を書いて良いというと
ころが新鮮でした。


 

◆審査の様子


審査会場に入ると55種類のお酒がずらっと並べられていました!

まさに、壮観…!


一つ一つをテイスティングしつつ、手持ちの紙コップに口内のお酒を移しつつ、審査をすすめていきました。
お酒を口に含むたびに手元の審査用紙に順位を記入し、自分のタイミングでお水を飲んだり、
もう一度気になるお酒をテイスティングしなおしたり。


審査は制限時間なども設けておらず、一回一回にしっかりと時間をかけていた印象です。


一回目の審査では55種類、二回目の審査では28種類に絞られ、三回目では8種類に。
この三段階の審査を経て上位の1~5位が決定されました。

全部飲むと酔ってしまうので、三回目の審査からお酒をゴクンと飲むようにしていましたが本心では全部を飲みたかったですね。笑

そして、第2部で1位を獲得されたのが辻本店の辻杜氏の「御前酒 馨(けい)」

専門家の先生によってのみ審査された第1部での1位は、白菊酒造さんの三宅杜氏の「大吟醸 大典白菊」でした!

その他にも受賞された杜氏さん、酒蔵さん、おめでとうございます!

 

第1部 結果
http://okasake.com/winning/images/109/109_1.pdf

 

第2部 結果

http://okasake.com/winning/images/110/110_1.pdf

 

 

◆さいごに

備中杜氏の皆様が醸す清酒は、幅広い酒質を持った美味しいお酒ばかりでした!!
今回の審査において一番印象に残ったのはやはり、
カプロン酸エチル高生産性酵母を使用しないお酒のみの出品だったということ。

確かに、吟醸香のあるお酒は華やかでお洒落な口当たりで、評価が高くなり人気を博すのは当然でしょう。
それが悪いわけではないのですが、どうしても均一化された味わいに仕上がってしまいます。
その流行りから一旦離れてもなお、飲んで美味しい清酒が数多くありました!


私は流行の味や、バランスのとれた味よりも、
苦味や渋みをもつクセの強いお酒が好き。
ですから、今回の品評会の主旨には大賛成でした。

審査は難しかったですが、楽しみながらテイスティング出来ましたよ!

皆様も受賞酒をぜひ検索して、実際に味わってみてください。


最後になりましたが改めまして、受賞された杜氏さん、酒蔵さん、
本当におめでとうございます!!